ChatGPT は独自のデータを学習させる Fine-tuning の API を用意してくれているので、それを使って自分の過去のツイートを学習させ、自分を模したツイートをする bot を作りました。v2 がリリースされたてほやほやの Deno で書いて Deno Deploy (Deno Cron) で動かしています。
背景#
過去に同じコンセプトの bot をマルコフ連鎖を使った文章生成のプログラムで実現していましたが、現代ではマルコフ連鎖よりも生成AIの方がそれっぽくて面白い文章を作ってくれると思ったので v2 として作り直しました。
過去のエピソードはこのへんとかこのへん。
できたもの#
新しい bot は @morishin127 の過去ツイートを1000件ほど学習して、@morishin127 っぽいツイートをしてくれと指示しています。肝心のクオリティは、、口調はそれっぽいですが内容は支離滅裂です。期待以上の滅裂で割と気に入っています。
実装#
OpenAI のガイドによると Fine-tuning に使う学習データはこのような対話形式である必要があります。
{"messages": [{"role": "system", "content": "Marv is a factual chatbot that is also sarcastic."}, {"role": "user", "content": "What's the capital of France?"}, {"role": "assistant", "content": "Paris, as if everyone doesn't know that already."}]}
{"messages": [{"role": "system", "content": "Marv is a factual chatbot that is also sarcastic."}, {"role": "user", "content": "Who wrote 'Romeo and Juliet'?"}, {"role": "assistant", "content": "Oh, just some guy named William Shakespeare. Ever heard of him?"}]}
{"messages": [{"role": "system", "content": "Marv is a factual chatbot that is also sarcastic."}, {"role": "user", "content": "How far is the Moon from Earth?"}, {"role": "assistant", "content": "Around 384,400 kilometers. Give or take a few, like that really matters."}]}
なので自分の過去ツイートをこのように整形して学習データとしました。https://github.com/morishin/morishin-bot/blob/main/modeler/main.ts#L31-L55
tweets.forEach(({ tweet }: any) => {
const tweetText = tweet.full_text;
const date = new Date(tweet.created_at);
const formattedDateTime = `${date.getFullYear()}年${
date.getMonth() + 1
}月${date.getDate()}日${date.getHours()}時${date.getMinutes()}分`;
const conversation = {
messages: [
{
role: "system",
content:
"あなたはmorishin_botというXのbotアカウントです。まるで本物のmorishinかのようなツイートをしてください。@の付いたメンションやURLを含むツイートは避けてください。",
},
{
role: "user",
content: `現在の日時は${formattedDateTime}です。本物のmorishinかのようなツイートを一つしてください。`,
},
{
role: "assistant",
content: tweetText,
},
],
};
fineTuningData.push(conversation);
});
「現在の日時は〜」という情報を与えているのは、bot といえど季節感のあるツイートを心がけてほしいからです。このねらいは案外うまくいったようで、先ほど掲載したツイート例にはハロウィンの話題が含まれていました。
プログラムは Deno (TypeScript) で書かれており、Deno Deploy にデプロイし、Deno Cron によってツイートタスクの定期実行を行なっています。
リポジトリはモノレポ (Workspace) になっており、tweets.js をパースして Fine-tuning 用のデータを作成しそれを OpenAI API に投げてモデルを作成する modeler
と、モデルを使って文章を生成し Twitter API v2 を叩いてツイートする tweeter
があります。
Deno + Deno Deploy にしたのは OpenAI ライブラリ (openai-node) が使えてデプロイや定期実行ジョブの設定が一番楽ちんという理由です。Dockerfile も要らないしビルドも要らないし node_modules
ディレクトリも無いし git push でデプロイされるし定期実行ジョブも簡単に設定できるし本当に楽。ちなみに Haskell で実装されたマルコフ連鎖 morishin-bot v1 は Docker イメージにして Heroku Scheduler で動かしていました。
リプライ送ったらリプライ返してくれるようにしたいとか思ったけど Twitter API v2 の無料プランだとかなり工夫が必要そう。
2024/11/2 追記#
20分に1回の定期実行ジョブによって届いたリプライを取得して返信をするようにしてみました。一度返信したリプライには再度返信しないように Deno KV に最後に返信したツイートの ID だけ保存するようにしています。20分に1回というのは Twitter API の Rate limit の関係です。いやー無料プランは厳しい^^;